カウンセリングのスタンス
こんにちは。
カウンセラーのNAOKO(松宮直子)です。
夫の不倫が発覚→夫が不倫をやめた→夫が戻ってきてホッとした反面、抑えていた気持ち(怒り、憎しみ、悲しみ、虚しさ等)が爆発・・・・。
このように、夫の不倫は終わったものの、夫が不倫中のときとは「別の感情」が出てくることがあります。
夫がもう二度と離れていかないように、良い妻をがんばってみるが続かない・・・・。
本当は再構築したいけれど、許せない気持ちが出てきて心から再構築を望めない・・・。
再構築をするためには、早く元気になって笑顔でいないといけない・・・・。でも、心から笑えない・・。
このように「〇〇したいけれど、〇〇できない」という葛藤が出てきますよね。
確かに、再構築をするためには、夫婦の間で笑顔があったり、会話があったりすることは大切です。
再構築をするためには、「許したほうがいい」と思っている気持ちもよくわかります。
中には、辛い記憶を全て消し去り、以前のように夫と仲良く過ごしたいと願っている方もいます。
ただ、心が深く傷ついているときに、これらのことができるでしょうか?
カウンセラーさんの中では、「夫に尽くしなさい」「いつも笑顔でいなさい」「不倫のことは一切聴かないようにしなさい」と仰る方もいます。
個々によってカウンセリングのスタンスが違いますからね。
ご相談者さまの「心の声」を聴いていると、「〇〇したいけれど」「〇〇ができない」という葛藤で苦しまれている方が沢山います。
願望はあるけれど、「なかなかそれができない」から苦しみが伴ったり、葛藤が出てきます。
カウンセリングでは「〇〇したいけれど」という気持ちを汲み取った上で、「〇〇できない」という心の声に耳を傾けます。
「〇〇したいけれど」(願望)は、意識(顕在意識)の領域です。
意識の領域は、全体の1〜3%と言われています。
「〇〇できない・・」というのは、無意識(潜在意識)の領域です。
全体の97%〜99%と言われています。
「〇〇したい」と望んでいても、「〇〇できない・・」という無意識の部分が大半を占めているので、すぐに引き戻されてしまいます。
ですから、できるだけ「無意識の領域」にフォーカスをして、少しずつ心の傷を癒していくことに重点を置きます。
心の底では、まだ怒りが強いのに、「笑顔でいなさい」と言われたらどう感じるでしょうか?
心は反発をするはずです。
「そんなことできない・・」と。
理想や願望は持つことは大切ですが、今悩んでいる方の「心の状態」が「どの位置」にいるのかを知り、その心に寄り添うことが何よりも重要だと考えています。
人の心は、「認めてもらえた」「わかってもらえた」と共感してもらうことで、更に回復が進んでいきます。
自分が感じている感情を自分だけではなく、誰かに「認めてもらう」「肯定」してもらうことによって、少しずつ自分の足で前に歩き出せるようになります。
基本的に、私は「〇〇しなさい」とは言わないんですね。
何を望んでいるのか、どうしていきたいのか・・・その答えは、カウンセラーは持っていないからです。
その本当の答えを持っているのは、本人だけです。
「どうしたらいいかわからない・・・」と混乱していたとしても、少しずつ「どうしていきたいのか・・」が見えてくるまでは、その混乱も一緒に受け止めさせていただきます。
カウンセラーは、ご相談者さまの大切な人生の選択・決断を奪ってはいけません。
誰かに答えを出してもらうと、一時的には楽です。
ただ、それは本当に自分が望んでいる「心の声」ではありません。
苦しいかもしれません。
辛いかもしれません。
それでも、最後は自分の力で選択・決断をすることが大切です。
カウンセラーの役割としては、自分の力で立てるようになるまで「支える」ことです。
道に迷いそうになったら、「こっちにいるよ」と手を差し出すこと。
その想い一つでこの仕事をさせていただいています。
決して1人ではないこと。
一緒に光を照らしてくれる人が必ずいることを忘れないで下さいね。